梶谷真司『書くとはどういうことか』を読んで

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読書の感想というよりは、私のブログ執筆に関する話になってる気がする。

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ブログを書けないので、参考になる本を探した

2024年春、私はブログが書けなくなっていた。2024年の2,3、4月、まともな記事(週報を以外の記事)はひとつも投稿できていない。うつ病で調子が悪かったというのもあったかもしれないが、全く書こうとしなかったわけではなかったはずだ。

「書けない」というのと「書かない」というので悪循環が起こっていた。書こうとしても内容が膨らまない、思うようにまとまらなくて、自分が納得行く水準のものができず「書けない」。だから、意欲が低下していき書く時間を取ったのに、パソコンやノートを開けなかったり、開いても他のことをしてしまって「書かない」。だから、腕がますます落ちて書こうとしても「書けない」ことになり、それで嫌気が差して「書かない」ことになる。以下、ループ。という具合である。

そんな状態になっても、「すてきなブログ」への想いはあった。Xのタイムラインを眺めていたりしていると、そこには憧れの人がいて、その人は、私が止まっていても前に進んでいく。くやしいな、と思ったりはするが、その人に追いつきたいのではなくて、私は私なりの境地に至ってみたいというだけ。だから、諦めなければいい、とだけ思い直す。ということで、ブログは諦められずにいた。まあ、諦める気など微塵もなかったのだが。

そうしてくすぶっている折、ひとりでのんびり大型書店に行く機会を作った。そこで本を見る際に設定したテーマの一つが、ブログ執筆の参考になる本を探そう、というものであり、その結果至った本が今回の記事の主題の「書くとはどういうことか」だ。

ブログの書き方の本はどうせアフィリエイトブログの話ばかりだろう、と思い、エッセイの書き方の本はどこかと店員さんに尋ねた覚えがある。連れて行かれたコーナーにあった本は大半が小説の書き方であったが、その中でもまだ参考になるかなと思ったのがこの本だった。今思うとネットでもうちょっと調べたり、他の場所も見たりすればよかったような気がするが、まあ、結果よければそれでいいということにしておこう。

読んだが、書けなかった

本の購入は4月初旬であるが、今は5月中旬。この間、私はまともな文章系記事を上げることはできなかった。

本を読まなかったわけではない。その時には3冊書籍を購入したが、一番最初に読み終えたのはこの本だった。

内容が的はずれだったわけでもない。書くために考えるために書く、というのは納得いくし、問のリストも便利そうに感じる。ストラクチャーの話も腑に落ちる。ただ、革新的な話というよりは、無意識にやっていたことを明確に言語化してもらえたという感じではあったが。

そして、書こうとしなかったわけではない。そのメモは今もSimple Noteに残っている。文字カウントをしてみたら3000文字はグニャグニャと悩んでいたみたいだ。紙のノートでも悩んだ覚えがあるから、かけた時間不足、というわけでもないと思う。

そして、挫折感を味わい、私はまた、投げ出した。

アウトライナーなら楽に書けた

そして、5月に入り、他のことが上手くいかないとかで、現実逃避的にブログのデザインなどをいじくったり、SNSを整理したりした。それに伴いいくつか記事を投稿した。これらはは文章があまり必要ない、手順をメモしておくだけの記事だったから、ブログを書けたという感覚が得られたわけではない。だが、もう一回、文章を書こうと思うきっかけとしては十分だった。

今回も最初は同じように苦戦した。で、詰まりそうになったときのこと。今一度、自分がどういうものを書きたいのかを思い起こそうと、あこがれのブログを見に行った。その時、何がきっかけだったかは忘れたが、そこのブロガーさんがアウトライナーの話をされていたのを思い出し、アウトライナー(的なもの)を使ってみることにした。

使ったのはNotion。DynalistとかWorkflowyとか、もっとアウトライナーらしいものも浮かんだが、箇条書きができて並び替えができるなら、とりあえずはいいだろうということにした。(ちなみにトグルをつかえばNotionでも折りたたみまでできるが、今回は箇条書きでやったので折りたたみはできない状態だった。)

そういうわけでNotionを使って執筆をしてみた。すると、これまでの苦労がバカバカしくなるほどに楽に書くことができたのだ。といっても、書き出して再構成する、という「書くとはどういうことか」でも勧められている手順が変わったわけではない。ただ、アウトライナー(というより、並び替えが簡単な箇条書き?)はそれがとてもやりやすかった。

(まあ、それで書いているのはこの記事なので、まだ1記事ができあがったわけではないのだが。)

ヒトは思いだけでは動けない

ということで、これからはブログの執筆が以前より捗るだろう。

それに対して「書くとはどういうことか」の内容はネックではなかった。読書はきっかけとして機能したし、「書くとはどういうことか」の思想は納得できたし、その手法は用いることになった。が、その手法が特段新しいとも感じられはしなかったし、本を読んだだけでは書けなかった。

私は今回、アウトライナー(?)という思想に沿った道具を使ってはじめて私は望むようなペースで書くことができるようになった。

これは、ヒトは考えだけでそれ通り動けるわけではないという例かもしれない。頭がわかったつもりでも、体は思うように動かない、いや頭さえ思うように働かない。やればいいということはわかる。でも、できない。そんなのはうつ病で苦しむ私にとっては日常茶飯事だ。本当に動くためには思考の持ちようだけではなく、流れ、慣れ、環境、さまざまなものが絡み合う。

私は今回は運良く、都合のよい補助輪を見つかることができ、執筆を進めることができた。

これはこれで喜ばしいことだが、今度はうつ病の改善役立つ補助輪が欲しいところである。

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